梅干の効用  Effect of the pickled plum

梅干しとは
梅干は日本古来の伝統的な食品であり、「メードインジャパン」で世界に誇れる食品であると思います。

梅は古来中国から飛鳥、奈良時代に伝来した木です。菅原道真が、大宰府に流されて詠んだ『東風吹かば、匂いおこせよ梅の花、 あるじなしとて春な忘れそ』は有名ですが、梅の木が庭にあったということは、当時はモダンな詩人だった といえます。

昔から『朝の梅干は一日の難のがれ』というように梅干には様々な効用がたくさんあります。

梅干はアルカリ性の陽性の食品で、血液を濃くする働きがあり、昔から日本人に欠かせない庶民の味方です。
効用
①クエン酸リンゴ酸コハク酸の有機酸の働きは、新陳代謝エネルギー代謝が活発になり、 疲労物質の乳酸を燃焼させ、身体の老廃物を身体から排除します。ゆえに疲労防止、疲労回復に効果があります。

②味さわやかで、食欲増進、消化酵素の分泌を高め、大腸の蠕動運動を活発にして便通をよくしてくれます。梅干を見るだけで、 よだれが出ますが、食欲を誘ってくれます。

強力な殺菌作用をもち、特にクエン酸が細菌(雑菌)に含まれるタンパク質を凝固させて、 繁殖力を抑制して、結果的に殺菌することになります。昔の人はこのことを良く知っていた為、コレラ菌が流行ると、 競って梅干を食べたので町から梅干がなくなったそうです。又、おにぎりやお弁当に梅干を入れて、腐るのを予防しました。

④日本人が慢性的に不足している栄養素がカルシウム。カルシウムが不足すると骨がスカスカになり、骨折しやすくなる骨粗しょう症が起こりやすく なると言われています。しかし、カルシウムは非常に吸収されにくい栄養素であるため、吸収率を高める必要があります。 それを手助けするのが梅に含まれるクエン酸なのです。

⑤梅干はアルカリ食品なので、肉を多く食べる最近の酸性体質の人にはとてもよい。

⑥梅干が疲労回復に良いというのはピクリン酸という物質も作用している。ピクリン酸は劇薬だが、うまく解毒されていて、 疲労回復に大きく貢献しています。

⑦梅に血液をサラサラにする成分「ムメフラール」が含まれていることが解っています。ムメフラールは、熱を加えることにより、 梅に含まれる糖分とクエン酸が結びつき、生まれます。

⑧梅干に含まれる塩は、胃酸の働きを助け、食欲を増進して、血液に力を与えてくれます。血液は、昔から血潮といって塩は不可欠なものです。